コラム

 公開日: 2016-07-31  最終更新日: 2016-10-25

家族への信託のススメ


家族への信託とは何だ?

 平成19年9月に新しい信託法が施行され、これまで信託銀行にしかできなかった信託財産の受託が一般人にも可能となりました。この信託法の活用により、従来できなかった個人の財産管理及び財産承継が大幅に可能となり、一般には、民事信託又は家族信託と言われております。
個人の財産管理・財産承継に関する法律分野においては、まさに新しい時代が始ったと言っても過言ではありません。

家族への信託の例

では、どのようなことが可能となるのでしょうか。
家族への信託は、多くの場合、円満かつ円滑な財産管理、財産承継を目的に、家族や親族を受託者として財産を託すことにより、
例えば、①後見制度に代わる積極的資産運用が可能となったり、

例えば、②ご本人亡きあとの何代にもわたる財産承継を決めることができたり、

例えば、③不動産の相続問題を回避することができたり、

例えば、④相続人の財産受取方法を工夫することにより、これまでできなかった財産管理や財産承継が可能となるなどであります。

もっと具体的に

より具体的に申し上げると、
上記①については、成年後見制度では、積極的な資産運用ができませんが、家族への信託では、不動産の購入や買い替えなども可能となるということであります。

また、上記②については、遺言では相続以降の資産承継者の指定ができませんが、家族信託ではそれができるということであります。したがって、例えば、遺産を後妻さんに一旦相続させ、後妻さん亡きあとに、先妻さんとの間に生まれた子に財産を承継させることもできます。

また、上記③については、不動産は相続人の共有となりますが、紛争解決するまで受託者が不動産の運用処分をすることができるため、紛争解決につながったりします。

また、上記④については、未成年者や障害者に対して、毎月の一定の財産を支給したりすることによって、未成年者や障害者の福祉に貢献することもできます。

家族信託では、財産を託されるのは、親族や家族であり、信託銀行等は関係ありません。また、信託銀行の遺言信託も関係ありません。
このように、家族への信託は資産の有効活用をすることができるほか、資産を承継される者の福祉の向上に大きく寄与します。

家族への信託は難しい?

ところが、法施行後、10年近く経過しているにもかかわらず、家族への信託は余り活用されているはいえません。
家族による遺言信託については、若干、普及しつつありますが、家族による信託契約に至っては、ほとんど活用されていないと言っても過言ではありません。(因みに、金沢公証人役場では、家族への信託契約の公正証書作成は、小職が初めてであるとのことでした。)

確かに、信託法自体が難解であるため、一般人自身による活用は難しいとも考えられます。(法律専門職においても活用例が極めて少ない)

また、小職の知る地元金融機関においても個人の預金等を多く預かっているにもかかわらず、家族への信託の取扱は不能とされており、預金等についての家族への信託契約は、大手の金融機関に頼らざるをえない現状にあります。

超高齢化社会の三つの難関

超高齢化社会では、シニアにとって三つの難関があるといわれています。
一つは、病気になることが多いとされており、80歳になると8つの病気を覚悟すべしなどと言われております。、二つ目は他人の介護を受けることもあるということであり、三つ目は個人生活の経済的な保障は国や家族に頼ることが難しくなりつつあり、個人の経済的な自立が求められていることであります。

このような三つの難関があるため、シニアの方の中には、個人の資産をご家族を含む他人に管理してもらいたい、また、ご自身の財産を相続等によりご家族を含む他人に思いどおりに承継させたいと希望する方も多いのではないでしょうか。

また、ご家族に障害者や未成年者がいる場合に、その個人の安定した生活を築いてあげたいと考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

このような方にとって、家族への信託は重要な役割を果たし、シニアやそのご家族の福祉の向上に大きく貢献する可能性があります。

以上の理由により、是非、家族信託をおススメます。

この記事を書いたプロ

行政書士西田兼武事務所 [ホームページ]

行政書士 西田兼武

石川県金沢市泉野出町三丁目3番48号 [地図]
TEL:090-8090-9369

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