コラム

2016-02-08

漢方生薬認定薬剤師がお勧めする、五十肩の改善薬

五十肩


『五十肩』と俗に言われる疾患があります。特に自覚する様な原因もなく、40代や50代に発生する事から、四十肩・五十肩と言う名前が付けられました。
これは、肩こりと言うよりも、肩の関節が痛んで凍りついたように腕を上げる事が出来なくなる疾患です。
「肩の関節周囲炎」と呼ばれている様に、肩関節を動かしている筋肉の老化現象により、発現すると言われていますが、原因はそれだけでは、ありません。
漢方の書物に紀元前500年頃に書かれた黄帝内経素問と言う本の中に、「挙痛論」の所に五十肩について書かれています。
この中に、痛みの原因を14種類に分類し寒証(冷え)13個、熱証1個と書かれています。ですから、五十肩は、ほとんど寒(冷え)が原因であると言えます。
今回は、急性の五十肩についてお話しいたします。

Ⅰ)風寒湿タイプ


急性期は、だいたい2~4週間続く事が多く痛くて眠れない場合も伴います。
「腕を上に上げられない、後ろに回せない』などの軽い運動障害が発生します。
原因は、風・寒・湿の3気が合して肩の絡脈(ツボの道)に侵入し気血の運行妨げ、その為、痛みが発生します。
症状)・・昼は痛いが、夜はあまり痛くない。鎮痛剤を服用すると楽になる。五十肩のほか、下肢の冷え、腰痛・頭痛を伴う事があります。
漢方薬)・・胃腸の働きを高め、水はけを良くし冷えを除き、痛みを和らげる五積散を用います。痛みが強い時は、芍薬甘草附子湯を加えます。
冷えが絡んでいる時は、生姜がネギの白い所を頂き体を温めましょう。
反対に、脂っこいもの・生もの・冷たい物は消化が悪く少なくしましょう。

2)痰湿タイプ


風寒湿タイプで、症状が進行したタイプに当たります。
体の水分が、時間と共に痰と言う粘ったものに変化し、これが身体の至る所に停滞しこれが痛みを発生させます。
このタイプは、「筋肉が裂けるような痛み」・・激痛になるのが特徴です。
症状)肩が痛く、夜も眠られない、身体が重い感じがする。雨の降る前は、痛みが強くなる。
漢方薬)痰を除き、痛みを除くニ朮湯を用います。
この漢方薬で効果のある人は、50%と言われていますが、肩の痛みのほか、しびれや疲労感が伴った場合は、人参養栄湯と言う気血を補う漢方薬を加えます。
食べ物では、甘い物や脂っこいものは控え、消化の良い物を進んで食べて下さい。
良い食材は、シイタケやクラゲが痰を除く作用があります。
薬草としては、ミカンの皮(陳皮)をお茶代わりに飲んで下さい。
いずれの場合も、肩を冷やさないようにタオルか半袖のシャツを1枚増やして、お休みになるようにして下さい。

五十肩Ⅱ(慢性タイプ)


五十肩は、筋肉・腱・腱板(運動を行う筋肉の腱の集まり)など、加齢による退行性変化が元になり、関節包や滑膜等の肩関節周囲組織に生ずる炎症性の疾患と言われています。
炎症などが長期にわたり、関節包内で癒着を起こすと癒着と痛みの為、関節の動きが制限され肩関節が動かせなくなってしまう病気です。
大半の五十肩は、漢方薬とストレッチにて良くなる事が多いようです。
人間で、男性は、8の倍数、女性は、7の倍数で変化すると言われています。
例えば、女性は、2×7・・14歳で生理が始まり
   男性は、2×8・・16歳で精子がしっかりして、赤ちゃんを産ます事が出来る。
それから、40歳ぐらいまで、精がしっかりして病気になりにくい期間です。
しかし、40歳を超えると、気(エネルギー)や、血(栄養物質)が不足し邪(風・寒・湿)が入りやすくなり、痛みが発生しやすくなります。
①気血不足
急性期に比べると、痛みは減るが、関節の可動域が少なくなり、腕が上がりにくくなります。
(症状)
身体が疲れやすく、肩こり・筋肉痛がある。じっとしていても痛みはないが、運動すると痛くなる。膝腰も痛くなる事もあります。

    

 『肝は、筋をつかさどり』と言われ


筋が痛むのは、肝と言う所に栄養物質が不足した状態にあります。
(漢方薬)気血を補い、筋骨を強くする桑寄生(ヤドリギ)と杜仲の入った
独活寄生丸を用います。
この漢方薬を、2~3カ月間、服用すると少しづつ痛みが和らぎや可動域が増えてくる人が多いようです。但し、この場合は、運動をして痛くなるタイプですので、じっとしても痛みのある実邪(不要なものがある場合)タイプに、独活寄生丸を用いると、病邪を引きいれ、さらに、痛みが強くなる事があります。
この場合は、湿をさばき、痛みを逃がす
ニ陳湯に麻杏薏甘湯をもちいます。
生活面での注意
身体に湿気を生む、甘い物の摂りすぎに気をつけましょう。
水はけが悪くなり痛みの原因になります。
また、目の使い過ぎは、血を消耗させ筋肉を弱くさせるので、ほどほどに。

この記事を書いたプロ

有限会社かるみ薬局 [ホームページ]

薬剤師 川岸康男

石川県小松市西軽海町1丁目104 [地図]
TEL:0761-47-0123

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
川岸康男 かわぎしやすお

開業40年の実績が生きる漢方相談(1/3)

石川県小松市西軽海町にある漢方専門薬局「かるみ薬局」の川岸康男さんは、漢方に携わって40年。その実績を生かしながら、不妊や皮膚病、自律神経失調症といったあらゆる症状に悩む人たちの相談に乗ってきた漢方薬のプロです。小松市の中心街から離れた...

川岸康男プロに相談してみよう!

北陸放送 マイベストプロ

幅広い症状に対応できる漢方専門薬局40年の開業実績が強み

会社名 : 有限会社かるみ薬局
住所 : 石川県小松市西軽海町1丁目104 [地図]
TEL : 0761-47-0123

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0761-47-0123

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

川岸康男(かわぎしやすお)

有限会社かるみ薬局

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
夜尿症と漢方薬

 子供に多い夜尿症 当店で、小児の相談で多いのが、夜尿症です。私のお店で、これまで、40年近く漢方相...

冷え症と漢方薬

 冷えは万病の元 冬になると、冷え症で困る方が多く見られます。男性と女性を比べると圧倒的に女性が多い症...

耳鳴り

 涼しくなると気になり始める耳鳴り 耳鳴りと漢方薬 Ⅰ秋になって、涼しくなると、本当は、眠りやすくな...

秋口の腰の痛み

腰の痛みⅠ特別、暑い夏が終わり、少しづつ涼しくなると、夏の疲れからいろいろな病気が現れます。一つ目は、先...

不眠と漢方

 不眠の定義 「満足すべき睡眠がとれない事」、これが不眠の定義です。ですから睡眠時間が短い人でも、本人が...

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ