コラム

2016-01-15

冷え症と漢方薬

冷えは万病の元


冬になると、冷え症で困る方が多く見られます。男性と女性を比べると圧倒的に女性が多い症状に当たります。これは、女性は、毎月、月経を排出し、血が不足しやすい為と言われています。
漢方での血は、身体を滋養する赤い液体を示します。これが不足すると、顔色につやがない、皮膚や髪に艶がないと言う症状が現れます。また、血が不足すると、末梢の方にも栄養物質が届かず寒い所にいると、すぐに冷えが身体に入りこみます。
特に、冷えは、足元から多く受けやすく、日頃から足元を暖かくする事が、冷えの予防には、大事な事です。しかし、最近のファッションは、短いスカートやたんぱんなど、下半身を冷やしてしまう人が多いようです。女性の大事な臓器である子宮や卵巣のある下腹部まで、冷やす結果、これが、生理不順・子宮内膜症強いては、不妊につながります。ですから、冷えは万病のもとと言われる理由です。
冷え性にも、多きくわけて、寒い季節だけ困る軽い冷えと、1年中冷えで困る通年性の強い冷えに分けられます。
今回は、冬場に多い冷えについてお話いたします。
女性で、1番多いタイプ

1.血虚生湿・・・血の不足と、余計な湿気を抱えたタイプです。
血が不足すると、筋肉にも栄養が届かず、肩こりや手足が強張ったりします、特に、日本は高温多湿に加え、食事の不摂生によって、余分な湿気が抱えます。水は下へ下へと言う性質がある為、下肢がむくんだりしてきます。水があっても温める事が出来ないので、寒くなると、足が冷えて辛いと言う症状に、女性では、血が不足するので生理に周期も遅くなり、量も少なくなってきます。
◎漢方薬
血を補い、身体の余計な水分を排出し、冷えを改善する当帰芍薬散を用います。
※血虚の人が注意する事
目の使い過ぎや、過労は、血を不足させるので注意して下さい。
食べ物では、激辛の食べ物は、血を乾かすのでほどほどに。
血を補うものとして、レバー・ホウレンソウ・くるみ・はちみつがお勧め。
薬草では、クコの実がお勧めです。

2.気滞   ストレスタイプ
ストレスや緊張から、血行が悪くなり、手足の先から冷えてくるタイプです。
症状
 イライラや憂うつ感があって、胸や脇が張って苦しい。げっぷが出たり、胸がつかえたり
と言う症状に、手足の先から冷える症状が伴います。
◎漢方薬
気の流れをスムースにして、自律神経を調節し、冷えを改善する逍遥散を用います。
気滞が続いたりすると、血行が悪くなり、血も滞り、手足の冷えが発生します。

3.血瘀タイプ 
汚い血が停滞し、これが、血の流れを、悪くする病態です。
症状
上に逆上せ、下が冷えると言う「冷えのぼせ」の症状に、顔色や、唇が黒っぽい。顔色(皮膚)がくすみがち、目の下にクマができやすい。
顔に毛細血管が拡張し、細楽と言って、赤いイトミミズのような細い血管が浮き出ます。
その他に、生理痛がひどくなり、経血にも塊が出ることもあります。
◎漢方薬
うっ血を除いて、血行を促進する桂枝茯苓丸か、丹参・香附子の入った冠心逐瘀丹を用います。


強い冷えの場合


漢方においては、冷え性は新陳代謝が低下している場合、血の巡りが悪い場合、胃腸の調子が悪いことなどが原因であると考えられます。
したがって漢方では、これらの原因を取り除くこと、また身体を温める作用のある漢方薬を処方します。また、単に漢方薬を服用するだけでなく、身体を冷やさないように薄着を避けること、 冷たい飲み物は避けることなどの日常生活のうえでの注意も怠らないようにしてください。
冷え性は西洋医学ではビタミン剤やホルモン剤の投与くらいですが、漢方薬では、その人その人にあった物をご提案しますので、ほかの症状も緩和する事が多いと言われています。
1年中冷えで困っているタイプで多いのが、

1.陽虚       エネルギー不足タイプ
身体のエネルギーが不足し、ちょとした寒冷の刺激に反応し、コタツを少し寒くなると出してきたり、10月ごろからストーブをつけたりします。
日頃から、身体を温めると楽になるので、(冷たいものは嫌いで、)暖かいものばかり食べるタイプです。
症状
足がむくんだり、手足が冷え、体温が低くなりやすい。(低体温)
気力がなく疲れやすい、すぐに横になりたがる。顔色が悪く腰痛や手足がだるい事があり、人によっては、夜中小便に何回も起きる。
◎漢方薬
胃腸の機能を高め、身体を温める人参湯を用います。

2.腎陽虚    元々のエネルギー不足
60歳~」70歳以上になると、涙が良く出たり、毎日朝目やにがついていたり耳鳴りが強くなったと言う人が多く見られます。
人間の水分の流れは、上から下に動くのが、「順」と言われ、涙や鼻水が出るのは、下から上に上がった症状で、「逆」と呼ばれています。
歳をとって、涙が出るのは、エネルギーが不足し、水を動かせない為、涙が出やすくなります。エネルギーが不足すると、頭部に必要な熱量を送れなくなる為、涙目や耳鳴りなどが発生しやすくなります。このタイプは、昼間は、うつらうつら、会議で居眠りをしたり、反対に熟睡はしにくい人が多いようです。寒がりで、冬は特に、過ごしにくいタイプです。
症状
おしっこが夜中、何回も行く。おしっこが漏れたり、足腰がだるく、小便に力がない。元気がなく疲れやすい。耳鳴り、頭のふらつきがあり、寒さに弱い等の症状を伴います。
◎漢方薬
腎の陽気を補い、冷えを改善する鹿茸大補湯を用います。
注意点・・夜更かしや立ち仕事に気をつける。食べ物では、甘い物の摂りすぎに注意して下さい。身体が冷える果物や生ものの食べ過ぎに気をつけ、適したものは、玄米、棗、しょうが、麦芽糖の飴、甘酒がお勧めです。

この記事を書いたプロ

有限会社かるみ薬局 [ホームページ]

薬剤師 川岸康男

石川県小松市西軽海町1丁目104 [地図]
TEL:0761-47-0123

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
川岸康男 かわぎしやすお

開業40年の実績が生きる漢方相談(1/3)

石川県小松市西軽海町にある漢方専門薬局「かるみ薬局」の川岸康男さんは、漢方に携わって40年。その実績を生かしながら、不妊や皮膚病、自律神経失調症といったあらゆる症状に悩む人たちの相談に乗ってきた漢方薬のプロです。小松市の中心街から離れた...

川岸康男プロに相談してみよう!

北陸放送 マイベストプロ

幅広い症状に対応できる漢方専門薬局40年の開業実績が強み

会社名 : 有限会社かるみ薬局
住所 : 石川県小松市西軽海町1丁目104 [地図]
TEL : 0761-47-0123

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0761-47-0123

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

川岸康男(かわぎしやすお)

有限会社かるみ薬局

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
漢方生薬認定薬剤師がお勧めする、五十肩の改善薬

 五十肩 『五十肩』と俗に言われる疾患があります。特に自覚する様な原因もなく、40代や50代に発生する事か...

夜尿症と漢方薬

 子供に多い夜尿症 当店で、小児の相談で多いのが、夜尿症です。私のお店で、これまで、40年近く漢方相...

耳鳴り

 涼しくなると気になり始める耳鳴り 耳鳴りと漢方薬 Ⅰ秋になって、涼しくなると、本当は、眠りやすくな...

秋口の腰の痛み

腰の痛みⅠ特別、暑い夏が終わり、少しづつ涼しくなると、夏の疲れからいろいろな病気が現れます。一つ目は、先...

不眠と漢方

 不眠の定義 「満足すべき睡眠がとれない事」、これが不眠の定義です。ですから睡眠時間が短い人でも、本人が...

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ