コラム

2015-09-25

耳鳴り

涼しくなると気になり始める耳鳴り


耳鳴りと漢方薬 Ⅰ

秋になって、涼しくなると、本当は、眠りやすくなる季節ですが、夏の水分の摂りすぎや夏の疲れなどで耳鳴りが多くなります。静かになるといろいろな音が聞こえ、気になると眠れなくなるほど深刻な方もおいでます。
耳は、外耳・中耳・内耳という3つの部分から成り立っており、音を聞いたり身体のバランスをとったり重要な役目を担っています。外から入った音は、外耳道を通って中耳にある鼓膜を振動させ、それが蝸牛に伝えられ、電気信号に変わります。これが大脳に伝えられ人間は、音を聞き分けています。特に、蝸牛にある有毛細胞の障害が耳鳴りの原因と言われています。
年をとると、有毛細胞はだんだん衰え、この衰えた細胞から雑音が大脳に送られます。これが、老人性難聴といわれるものです。加齢に従って有毛細胞は減りますが、この細胞は、再生しない弱い細胞と言われ、最近、ips細胞など再生医療で研究されています。
漢方薬では、突然現れる音が大きい実邪の耳鳴りと、徐々に進行し音は小さいが慢性的に移行する虚の耳鳴りに分けて考えます。
今回は、急に発生する実の耳鳴りにつてお話いたします。
①風邪のこじれから・・・耳が塞がった感じ
耳は、いくつかの経絡(つぼのみち)が集まっている所と言われ、風邪を引いた後、熱がこもり、それが原因で、耳鳴りや耳が塞がった感じがする病態に当たります。
症状)風邪を引いて、4~5日経ち、身体がだるく疲れやすい、夕方に微熱があり、頭痛がまだ残り、急に上がったり下がったりする熱が生じます。口が苦い、身体がふらつき耳鳴りを伴います。漢方では、体の側面に停滞する熱と考えます
漢方薬)風邪のこじれた熱を冷まし、気の巡りを良くし耳鳴りや耳の閉塞感を改善する小柴胡湯に香蘇散を用います。


②肝陽上亢・・・キーンとした音の耳鳴り
40~50歳になると、身体の潤いが不足し、つまり陰が不足し相対的に陽気が上に上がり耳鳴りが発生する病態に当たります。
症状)抑えきれない熱が上に上がり、目の充血、イライラ、めまい、それにキーンとした高い音の耳鳴りが生じます。その他、足腰が弱く、反対に上に上がるタイプです。中年になり高血圧症(血圧の下の高い)人が多いようです。
漢方薬)肝腎の陰血を滋潤することによって、イライラした気を静め耳鳴りを改善する杞菊地黄丸に耳鳴りが強い時は、釣藤散を用います。

注意する点は、目の使い過ぎによって、耳鳴りがひどくなることもあるので、ホドホドに。肝血が不足なタイプは、緑のお野菜を多く摂り、朝に天然塩の梅干しを頂くと、自律神経が安定し、のぼせやイライラが少なくなります。
海の牡蠣もミネラルが多く、特に現代人に不足気味な亜鉛やセレン・鉄などが多く入り、スタミナを強化し、神経を静める働きがあるのでお勧めです。
キィーンと高い耳鳴りがした時は、脳が興奮した状態です。目を休めて横になって下さい。それでも、治らない時は、牛黄の入った感応丸を気つけ薬にお試しください。
耳鳴りⅡ
前回は、急性に起こる実の耳鳴りについてお話ししました。今回は、慢性的に続く虚の耳鳴りと漢方薬についてお話いたします。
耳鳴りは、神経や脳の障害、高血圧症、動脈硬化症、ストレスからなどいろいろの疾病と関係しますので、一度、専門の診察を受けた方がいいと思います。それでもなかなか改善しない時は、漢方薬をお試し下さい。
なお、年を重ねて、ずっと耳鳴りがしている方には、100%完治することは、現代では、無理と言われています。
しかし漢方薬や食事療法で少しづつ改善する事もあるので、あきらめないで漢方薬をお試し下さい。
①精不足
40歳を過ぎると、早い人では、老眼になったり少しづつ耳が遠くなってきます。これは、耳や目や脳に必要な栄養物質やエネルギーが不足した為に起こる症状と言われています。
『腎は、精を蔵し、骨を主る。精が集まって髄を生じ、脳に通じる』とあり、精は、髄や脳の栄養素になるものです。脳の近くにある、耳や目は精が不足する事でだんだん聞こえにくくなったり、見えにくくなってきます。

症状)
身体が疲れやすい、顔色が冴えない、冷え症でやる気がなく、寝るときは、体を曲げて眠る。声は小さく、足腰が弱く、夜間小便に良く起きる。いつも眠い感じがする・・・などの症状が伴います。
漢方薬)
身体のエネルギーを増やし耳や脳に栄養物質を送る鹿茸大補湯に腎のエネルギーを増やす八味地黄丸を加えます。
②潤い物質の不足の耳鳴り
潤い物質が(陰)が不足し、耳や脳に栄養物質が届かない病態。体のほてりや伸ばせが特徴。

症状)身体の潤いが不足し、皮膚がかさかさになり、目が乾燥し喉もかすかすになってきます。粘膜も潤いが不足する為コロコロの兎のウンコみたいに便秘になってきます。当然、脳にも栄養物質が届かず耳鳴りが発生させます。特に、夜に強くなるのが特徴です。
漢方薬)身体を潤し足腰を強め耳鳴りを改善させる滋腎通耳湯を用います。
腎陰不足の耳鳴りには、辛い物や、なんば・キムチは陰を乾かすので注意して食べて下さい。熱い物や胡椒や生姜も注意しましょう。
身体を潤す、クコの実・燕の巣・ハトムギ・はちみつ・黒豆・黒ゴマがお勧めです。
黒い物は、耳に良いと言われます。
黒豆は、腎を補う働きがあり、腎が弱いとめまいやふらつきが起こります。黒豆とヨクイニンを同量煎じてその汁を飲むと効果的です。その時、天然塩を少し入れると効果が高まります。」
黒ゴマは、炒ってすり鉢ですってハチミツと合わせそれを、パンにつけて食べると腎を補い老化を防ぎ耳鳴りめまいの予防になります。

この記事を書いたプロ

有限会社かるみ薬局 [ホームページ]

薬剤師 川岸康男

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